全国各地のB級ご当地グルメってこんなにある!!

全国に知れわたっているわけではない、地元ならではのB級グルメに酔いしれる人は数知れず。ある者は言った、‘待て、しかして希望せよ'と。 自分たちの地元のグルメを広めるため、開催されたB-1グランプリからも分かるように、各地には色々な食文化が広がっています。ここではB-1グランプリ、歴代優勝者から見る現在のご当地B級グルメについて考察していきます。

山梨県のもつ煮とは

鳥もつを利用したB級グルメ

地方の料理、横手やきそばにしても富士宮やきそばにしてもそうですが、作り手が変わっただけで味が激変してしまう料理は山ほどある。おふくろさんの味とはよく言ったものですが、これが名物といっても微妙に味わいが異なると異論を唱える人もいるので、話や味を統一するのも一苦労なのが何となく分かるはずだ。実際、横手やきそばにしても有名になればなるほど愛好家を経由して広めるための『横手やきそば道場』なる催しを開催して、元祖横手やきそばとはこういうものだとするレクチャーに勤しんでいるとのこと。家庭料理から始まったものほど、味の偏りはどうしても出てしまうものだ。

味が変わるといえば、筆者個人としては母が作ってくれる料理の中で特に味が違うなぁと感じたものに『もつ煮込み』を挙げる。使っている材料や調味料など、ほとんど同一なのに外で食べると何かが違うとして食べないようにしている。意外とそういうのは誰しもあると思います。ただそれ以前にもつそのものが食べられないという人も多いでしょう。現に母ももつ煮込みは作るが、自身は進んで食べないという人だ。

もつを利用した料理、先に紹介したホルモン焼きの独自性を活かしたシロコロホルモンを生み出した厚木のように、もつを利用したB級グルメが有名な県があります。関東は西、静岡の横に隣接している山梨県では『甲府鳥もつ煮』なる料理が存在している。これもまた、B-1グランプリにて過去グランプリを受賞した有名な料理だ。

グルメなあなたへ

もつ煮込みではなく、もつ煮

この料理の特徴は、『もつ煮込み』ではなく『もつ煮』となっている。料理の外見は甘辛く味付けをした後に照りが出るまで煮詰めることから来ているので、煮込み料理とはまた違った料理だ。もつを利用した料理の中でも、特に名産として知られるこの料理は鳥もつ、主に鶏の物が使用されている。もつというと獣肉の中でも特に豚を連想する人が殆どのはず、実際件のもつ煮込みも材料は基本豚もつが利用されているはずだ。では山梨では豚もつは食べられていないのかといえば、そんなことはない。豚にしても鳥にしても、積極的においしく召し上がっているそうだ。こういうとカルバニズム的な連想をしなくてもないが、別にそういう凶暴性はないのでご安心を。

どうして鳥もつを利用した料理が出てきたのかといえば、その理由にはもつを含めた獣肉の中でも特に食べるという発想がなかった内臓系を捨てていたことから来ている。もったいない、そう最初に告げた人物によって料理の材料として用いられたことから来ている。ちなみに用いたのは焼き肉などの鉄板関係を営む飲食店ではなく、蕎麦屋だったというのも面白い。この出来事をきっかけにして、実は利用すれば奥深く、美味な味わいになると知られるようになったことから、山梨では鳥もつも食べられるようになった。

料理の起源は

そんな甲府鳥もつ煮が本格的に県内で普及し始めたのは1950年、やはり戦後間もない頃だ。それまで捨てていた内臓部位を煮こむのではなく、鍋かフライパンで煮立たせて作る料理になります。入れる調味料は醤油と砂糖の2つだけと非常にシンプルながら味わい深いもので、煮立たせていき汁気が無くなれば完成する。もつそのものを家庭で扱う時代ではなかったので、飲食店で主に取り扱っていましたが、やがて一般的に広まる頃には各々の家庭でも作られる定番料理となっていった。

甲府市において鳥もつ、特にこの甲府鳥もつ煮は名産として推し進める動きは以前から強く、B-1グランプリなどという話が出る以前から山梨県の地元名物料理として知ってもらおうと、地域振興の要になっていたのです。地元民だけでなく、観光旅行に訪れた人なら一度は食べておきたい料理らしいが、幼少時に筆者は某宗教団体の本部を家族と見に来た時には、まるで両親は見向きもしないで食べなかったのを覚えている。

初出場ながら

そんな甲府鳥もつ煮を多くの人に知ってもらおうとしてB-1グランプリに出展したところ、2010年に初参加してなんとグランプリを獲得してしまった。初出場の団体がまさかの優勝を獲得したのは大会としても初めてのことで、並み居る強豪を押さえてその年の最高B級グルメの名を獲得する。

その結果どうなるかはお約束で、鳥もつを扱う関連企業や産業にまで経済効果の影響を及ぼし、観光資源として『山梨県といえば鳥もつ煮』というイメージの植え付けに成功した。ただこうした動きの中で便乗しようと粗悪品が出まわるなどして問題も起きたが、今では料理を正式に商標登録し、さらに名称も申請する段階だという。

お腹へったら見て下さい

B級グルメの中では一番の成功例か

歴代の大会で様々なグランプリ作品はありましたが、甲府鳥もつ煮のように初出場初優勝という快挙をなせる団体は中々ない。それだけ多くの人が、『山梨県にこんな名産があったなんて知らなかった』と驚きを隠せなかったはず。当時の会場では物珍しさに鳥もつ煮を食べようと押しかける群衆の光景が目に浮かぶようだ。

これまでの経緯を見れば、いつか鳥もつ煮のような団体が出てくる可能性もあるかもしれませんが、当分先の話になるでしょう。そう考えると、甲府鳥もつ煮の名誉と地位は不動といえるのではないか。